クラミジア治療薬の「ジスロマック」

ジスロマックは、15員環マクロライド系抗生物質のアジスロマイシンを主成分とするタンパク合成阻害薬であり、多くの医療機関でクラミジア治療の第一選択薬として処方されています。
ジスロマックは、あらゆる生物の細胞内でタンパク質を生合成するリボゾームを構成するサブユニットと結合します。
タンパク質の生合成を阻害する事でタンパク質の欠乏状態に追い込みクラミジアの病原菌の増殖を抑制する医薬効果を発揮します。
ジスロマックは、人間のリボゾームを構成する60Sサブユニットと40Sサブユニットには反応する事ありません。
クラミジアの病原菌のリボゾームを構成する50Sサブユニットと選択的に結合する事から理論上服用による副作用が無いとされる安全性の高い抗生物質です。

ジスロマックの服用方法は、主成分のアジスロマイシン力量1,000mgを1回服用するだけなので服用者は効果がいつからいつまで持続するのか疑問になります。
これについては服用から2時間前後で血中医薬成分濃度が最大となり約7日間程度医薬効果が持続します。
ジスロマックの主成分アジスロマイシンは、服用から2時間前後で血中の医薬成分濃度が最大となる一方で服用から65.6時間前後で血中の医薬成分濃度が最大値の半分に低下するので7日間効果を持続する事は出来ません。
医薬成分をポリマーで数μm程度の球状に覆うマイクロスフェア製剤法を導入する事で一定量の医薬成分を長期間にわたって放出する事が可能となり、1度の服用で7日間程度の効果が持続します。
ジスロマックは、クラミジアの病原菌のサブユニットに選択的に結合する事から副作用が少ないとされていますが、下痢や腹痛、倦怠感などの副作用を発症する事があります。
重大な副作用には、アナフィラキシーショックや大腸炎及び腎機能障害などがあり、抗血栓剤のワルファリンやHIVプロテアーゼ阻害剤のメシル酸ネルフィナビル及び免疫抑制剤シクロスポリンなどは併用禁忌とされています。

ジスロマックの併用禁忌と注意点

ジスロマックはアジスロマイシンを主成分とする医薬品で、クラミジアの治療などに効果があります。
ジスロマックの服用方法にはいくつか注意点があり、併用禁忌の医薬品があります。
これまでのマクロライド系抗生剤と比較すると併用注意の薬剤が少ないですが、一部の薬剤との併用は注意が必要です。

例えばシクロポリンとの併用は注意が必要で、シクロポリン(サンディミュン、ネオーラル)はネフローゼ症候群やベーチェット病、肝臓や腎臓、心臓や肺などの移植手術後によく用いられる免疫抑制剤です。
このマクロライド系抗生剤と使うと、シクロスポリンの作用を強め腎障害の副作用が出る可能性があります。
ワーファリンとの併用にも注意が必要で、ワーファリン(ワルファリン)は心臓や脳の血管などに障害がある場合よく用いられている血液凝固を阻害する医薬品です。
抗菌剤との併用には注意しましょう。

ジスロマック以外のマクロライド系抗生剤とも使用すると、ワーファリンの働きが強く現れるので肝臓の代謝酵素の働きなどを阻害するケースがあります。
制酸剤(水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウム)は胃酸を中和する成分が含まれている胃腸薬の一種ですが、これら制酸剤との併用も危険です。
制酸剤とジスロマックを一緒に服用すると、ジスロマックの成分吸収が阻害されてしまい、血中成分濃度をダウンする可能性があります。
併用する場合服用時間をずらしたりいつまで併用するかなどの対処が必要になるでしょう。
ジゴキシンもジスロマックと併用すると中毒症状が現れることがあり、メシル酸ネルフィナビルという抗HIVウイルス薬の有効成分と一緒に服用すると有効成分の血中濃度がアップするので注意が必要です。