クラミジアは、性行為やディープキスなどによって人から人へとうつる病気で、日本ではもっとも感染者数の多い性感染症となっています。
この病気は男性よりも女性がかかること多く、感染率も高いために誰でもかかり得る病気だと言えます。

とくに女性の場合には、これと言った自覚症状が出ないことも多く、放置してしまうことで重症化してしまう危険性もあります。
クラミジアは薬によって治療することができる病気なので、できるだけ早く発見して治療することが大切です。

クラミジアの薬の種類

微生物 クラミジアはクラミジア・トラコマチスと呼ばれる細菌が原因となって起きる病気です。
そのため、この病気を治療するときには抗生物質や合成抗菌剤など、病原微生物を殺菌する成分が含まれている薬を使用します。
その主なものとしては、マクロライド系やテトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗生物質があります。

このうち、比較的よく使用されるのがマクロライド系の抗生物質です。
マクロライド系の治療薬には、アジスロマイシンやクラリスロマイシンなどがあります。
アジスロマイシンはとくに効果が高く、通常は1回使用するだけで完全にこの病気を治すことができます。
そのため性感染症ガイドラインの推奨グレードではAの「強く推奨する」となっています。

アジスロマイシンの作用機序としては、有効成分が細菌のタンパク質合成を阻害することによって殺菌効果を示します。
この系統の薬は副作用も少なく、妊婦や子供でも使用することができるのが特徴となっています。
アジスロマイシンを使用した場合、感染しているクラミジアのほとんどを除菌することができます。
そのためクラミジアを治療する際の第一選択薬となっています。

クラリスロマイシンも効果が高いですが、アジスロマイシンとは違って7日間の服用が必要になります。
性感染症ガイドラインの推奨グレードでは、妊婦のみ推奨グレードBの「一般的な推奨」で、そのほかの場合には推奨グレードAとなっています。

次に使用されることが多いのが、テトラサイクリン系の抗生物質です。
テトラサイクリン系の製品には、ドキシサイクリンやミノサイクリンなどがあります。
これらの薬は、マクロライド系が使用できない場合や、効果が出なかった場合などに使われます。

ドキシサイクリンやミノサイクリンも、病原菌のタンパク質合成を阻害することで抗菌作用を示します。
テトラサイクリン系の抗生物質では、ドキシサイクリンが処方される割合が高くなっています。
これらの治療薬を使った場合、若干副作用が見られることもあります。

最後にニューキノロン系の抗生物質には、レボフロキサシンやトスフロキサシン・シタフロキサシンなどがあります。
これらの製品は病原菌のDNA合成を阻害することで抗菌効果を発揮します。
ニューキノロン系は、過去にはクラミジアを治療する場合一般的に使用されていましたが、現在では耐性菌が増えてきているため、この病気の治療に使われることは少なくなってきています。
それでは、クラミジアの症状としてはどんなものがあるのかを見ていくことにしましょう。

早期発見が大切なクラミジアの症状とは

のどを触る女性 クラミジアは男性にも女性にも感染することがある病気です。
主な感染部位としては、男性器や女性器・のどの粘膜などがあります。
どちらかと言うと女性への感染が多い病気ですが、女性やのどへの感染でははっきりとした自覚症状が出ないこともあります。

女性の場合には、主に膣内に症状が見られます。
無症状のことが多く、おりものの量が増える以外にはこれといった症状の出ない人がほとんどです。
しかし、白っぽいおりものが出たり、下腹部に違和感を感じることもあります。
また、性交したときに痛みを感じたり、生理痛の症状が重くなる人がいます。生理以外のときに出血を起こしてしまう人もいます。

女性の場合、はっきりとした症状が現れないためにこの病気の治療が遅れがちになる傾向があります。
クラミジアに感染してそのまま放置してしまった場合には、子宮や子宮頸管、卵管などにも炎症がおよんでしまうため、感染が疑われる場合にはできるだけ早期発見することが大切になります。

症状が進行してしまった場合には、子宮頸管炎や子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎などの症状を引き起こします。
さらに症状が進行すると、骨盤腹膜炎や肝周囲炎・卵巣炎などになるケースがあります。
子宮頚管や卵管など、骨盤内臓器に炎症が及んでしまった場合には、不妊や子宮外妊娠などの原因になってしまう場合もあるので十分に気を付けるようにしましょう。

一方の男性の場合には、尿道炎の症状が主になります。
男性がクラミジアに感染した場合、尿道にかゆみや痛みを感じるほか、おしっこをしたときに痛んだり染みたりすることがあります。
また、尿道から透明な膿が出てくる人もいます。

男性の場合にも、症状が進行するとほかの部位にも炎症が及ぶことになります。
重症化した男性のクラミジアでは、前立腺炎や副睾丸炎(精巣上体炎)・肝炎・腎炎などの症状が現れます。

前立腺炎になった場合、肛門と陰のうの間や下腹部・鼠径部・腿の内側などに痛みが現れます。
副睾丸炎になった場合には、睾丸が腫れあがっているように見えたり、睾丸から鼠径部にかけて激しい痛みが生じることになります。
副睾丸炎が両方の副睾丸に起きた場合には、男性側の不妊の原因となってしまう場合もあります。

咽頭クラミジアでは、症状が出ないことが多いですが、のどの痛みや咳・たん・扁桃腺炎などの症状が現れます。
これらの症状は風邪とよく似ているので間違えないようにしてください。鼻水や鼻づまり、難聴や耳閉感などの症状が出る人もいます。

クラミジア治療薬は薬局で買えるの?

薬局 クラミジアを治療したいと考えているのであれば、できるだけ早期発見・早期治療をするということが欠かせません。
それではクラミジアの治療薬は薬局やドラッグストアなどで誰でも購入することができるのでしょうか。
それとも病院でしか処方してもらえない薬になるのでしょうか。

クラミジアを治療するさいには、主にマクロライド系とテトラサイクリン系、ニューキノロン系という3種類の抗生物質のうちどれかを使用することになります。
しかし、3種類の製品はともに医療用の医薬品となっているため、購入する際には医師の書いた処方箋が必要になります。

薬局やドラッグストアでは、処方箋なしに購入することができる薬もありますが、これらは市販薬と呼ばれるものです。
市販薬は一般用医薬品と要指導医薬品の2種類に分かれていて、これらを総称してOTC医薬品と呼ぶこともあります。
こういった製品であれば、事前に病院を受診して病気の診断を受けなくても、薬を購入することができるのです。

しかし、クラミジアの治療に使う薬には、このような市販の製品は存在しません。
薬局やドラッグストアで買える薬は、医師や薬剤師の管理がなくても安全に使用できることがその条件となっています。
抗生物質には副作用があり、使い方によっては耐性菌が生まれてしまうというデメリットもあります。
こうした点から、抗生物質のOTC医薬品は販売されていないのです。

そのため、クラミジアの治療薬を処方箋なしで薬局やドラッグストアで購入することはできません。
アジスロマイシンやクラリスロマイシンなどを購入したいのであれば、事前に病院を受診して、きちんと医師の診断を受けなくてはいけないことになります。

処方箋なしでアジスロマイシンやクラリスロマイシンなどの治療薬を購入する方法がまったくないわけではありません。
しかし、クラミジアの治療薬は基本的には処方箋が必要な処方薬となっています。

一口にクラミジアを治療すると言っても、それぞれの薬ごとに服用方法や服用期間などは異なります。
また、テトラサイクリン系やニューキノロン系では飲み合わせに注意しなくてはいけない薬も多くあります。
病院で医師の診断を受けた後であれば、薬局でしっかりと製品の説明を受けたうえで最適な薬を処方してもらうことができます。

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